Produktübersicht Basis-DLM を読む 4: バーデン=ヴュルテンベルク州

このページ を読むシリーズの第4回は,第4行の BW, バーデン=ヴュルテンベルク州(Wikipedia)です。初めて生粋の西ドイツ系の州を取り扱います。南西ドイツですので保守系 CDU が強い土地柄です。バイエルンニーダーザクセンに次いで面積が3番目に広く,州都にシュトゥットガルトを抱える強力で豊かな州に見えます。また,Wikipedia の記述や地図を見ると,ドイツの中でも特に分権的な州であるように見えます。そういった「西ドイツらしい州」では地形図はどのように更新されているのでしょうか。

捕捉状況

第三段階で 100% を達成しています。捕捉は計画を達成済みということになります。優等生です。

出典

オルソ画像,地形測量,資料と他の官署が出典であるとのことです。きちんと画像をとって歪みをとり,現地調査もきちんと行い,資料を有効活用し,他の官署とも緊密に連携して良い地図を作成する。優等生の回答です。

精度

3m です。地形図の基礎データとしては申し分ありません。

時局性

1998年から2002年の現実を反映したデータにしているとのことです。35,751.64平方kmもある地域の全域をわずか4年で一通り舐めるというのは,すばらしいと思います。Wikipedia によれば関東地方1都6県の総面積が32,423.90平方kmとのことですので,関東全域を4年以内に取得したデータでカバーしているということになります。
また,次の段階では 2003年以降の時局性でデータを更新するようです。現段階では4年の時間範囲の時局性で整備したので,次の段階では 2003年から2007年の4年間の時局性で整備するのではないでしょうか。

最高度時局性の地物を除く地物の更新周期

5年,とのことです。時局性の時間範囲が4年ですので,地物は2つの時局性にまたがる8年のうち5年以内の周期で更新するということでしょうか。データ取得計画にちょっと工夫が必要そうです。前回の段階で早期にデータを取得した地域は,次の段階でも早期にデータを取得する必要があります。

データフォーマット

段階にかかわらず,以下のフォーマットで提供するようです:

EDBS
既出の測量局統一フォーマット,EDBS フォーマットです。
SQD
http://www.gismngt.de/format/sqd.htm によると,SICAD というプログラムとの交換フォーマットということのようです。SICAD というのはドイツ系の GIS のようですが,詳細はこれから http://www.aed-sicad.com/ あたりを調べないとわかりません。SICAD は日本での利用はないようです。
DXF
既出の CAD 系フォーマット,DXF フォーマットです。
Shapefile
既出の GIS 系フォーマット,Shapefile フォーマットです。

価格

価格はちょっと特殊な設定をしていて,レイヤを限定したりフォーマットを変えたりした場合に割り引き割り増しがあります。また,アップデートの場合には割引が適用されるようです。このあたりのことについては詳しくは後で読むことにしたいと思います。
基本価格は,以下のような設定になります:

1平方kmから5000平方km
1平方kmあたり7.50ユーロ
5001平方kmから25000平方km
1平方kmあたり2.50ユーロ
25001平方kmから50000平方km
1平方kmあたり1.00ユーロ
州全土
98,000ユーロ

ちょっとおかしな価格設定のように見えます。というのは,州全土よりわずかに狭い 35,751 平方kmを購入すると 35,751 ユーロで済むのに対し,州全土を購入すると 98,000 ユーロと3倍弱の値段になってしまうためです。割引関係の細かいルールを確認する必要があるかもしれません。
州全土を購入すると 98,000 ユーロということですが,これは1ユーロ160円換算で 1570 万円程度になるということになります。これはちょっと買いづらい額であるように見えます。

計算方法が間違っていたので、http://d.hatena.ne.jp/hfu/20070926/1190864787 で再計算しました。その結果、バーデン=ヴュルテンベルク州全土のデータを全土割引なしで購入すると、98300ユーロ(約 1572万円)になることが分かりました。全土購入割引は、200ユーロの割引となり、整合性のある価格体系となっていることが確認できました。

ChangeLog

2007-09-26: 価格再計算の結果を反映しました。