RESTful 派は欧よりも米で勢力を得ている?日本ではどうか?

欧州にとって痛恨なのは、INSPIRE が SOAP 漬けになっていること。INSPIRE の主要目的のためには SOAP で良いのかも知れないのですが、次のステップでは重荷になるでしょう。
d:id:hfu:20090304 のような話の続きを、誰かが日本語で書かなければならない気がとてもしています*1。ただ、英語では日常的にこの話題は出現しています。例えば3月6日にも次のような記事が出ています。

SOAP をやめることは驚くべきことではない

Of course this is not surprising in the least bit, but Google is abandoning their SOAP API to focus on their RESTful APIs. Most developers, myself included, prefer working with RESTful services and I’m interested in seeing if other companies will start “retiring” their SOAP APIs for their newer RESTful ones. ESRI, MapGuide, and GeoServer are all great RESTful implementations,

http://www.spatiallyadjusted.com/2009/03/06/soap-is-for-cleaning/

SOAP API をやめることは全く驚くべきことではない、このことは、当たり前のことであるのです。このことを、日本の、伝統的な(必ずしも web でない)geo の人にも当たり前と思って頂かなければならないと思っています。

一方で、

I agree REST is great, but the title of your article reveals your North American perspective. INSPIRE requires SOAP. Good thing you don’t consult in Europe.

http://www.spatiallyadjusted.com/2009/03/06/soap-is-for-cleaning/

でもあるわけです。

REST でも業務の変化に対応できる

また、Sean Gillies Blog ではこの話題について、相変わらず明晰なエントリが出ています。私のエントリの論旨からは五歩くらい前を論じていますが、次のキーセンテンスの引用を読んで関心をお持ちになった方は、リンクをたどって読まれると面白いとお感じになるのではないでしょうか。

Systems applying the REST constraints can scale massively and can evolve to meet changing requirements, and that's why I'm uncomfortable with REST being pitched as "lite". Lets you achieve simple goals simply, but not itself a simple thing

http://sgillies.net/blog/881/unbearable-liteness

geo+web

冗談を解説するみたいで恥ずかしいのですが、私が GeoWeb という表記を嫌って geo+web という記法を作り出した理由も、Sean Gillies Blog に負っています。GeoWeb は単に Geo over Web という感じで Web を 1990 年代に完成された部品のように捉えるところがあり、Web の本質を反映していません。web と共に歩む geo でなければなりません。

ところで、WMS だとか WFSSOAP ではないのですが、よっぽどひねくれた使い方をしない限り*2 RESTful とはとても言えなくて、それがお金を掛けない限りスケールしないという弱点につながります。

*1:日本語が亡びるとき(私は未読ですが)、のような論理で、この話題は英語で論じた方がコストが低い状況にあって、「ふつうの」日本人は置いて行かれてしまう状況にあります。

*2:そして、ひねくれた使い方をしないと「使えない」ような規格は、良い規格とは言えないでしょう。