TaskPaper のレビュー

hfu2007-11-03

プロジェクトごとにグループ化したタスクのリストを管理する Mac OS X 用ソフトウェア、TaskPaper のレビューを試みます。

仕事をシンプルにするためのソフトウェア

http://hogbaysoftware.com/products/taskpaper の説明を抄訳することで、このソフトウェアの機能を紹介したいと思います。

  • TaskPaper はきちんとしつつ仕事を行うためのよりシンプルな方法を Mac ユーザに提供。
  • TaskPaper は紙のように単純な、テキストベースのインタフェース。
  • すべての情報はテキストファイルに記録される。だから持ち出すことも TaskPaper なしで編集することもできる。
  • TaskPaper はテキストの見栄えを良くし、編集や閲覧を迅速にする。
  • TaskPaper によりタスクの管理は速く、簡単で、ポータブルになる。
  • タスクを作ったり、完了させたり、削除したりがキーストローク一発。すべての操作をキーボードでできる。
  • プロジェクトとタグ、さらには任意のテキストに基づいてフィルタした表示ができるので、何千ものタスクを1ファイルで管理できる。

Mac OS X Leopard 日本語環境でも動作

Mac OS X Tiger, Mac OS X Leopard の日本語環境で、ATOK 2007 での日本語入力も含め、問題なく動作しています。

スケジュール機能がないことの良さ

TaskPaper には、時間を管理する機能はまったくありません。
スケジュール関係の機能がまったくないということが、実は他のソフトウェアの直交性を確保するのに役立っています。以前、iGTD を使っていたころには、時間が決まったタスクは iGTD と iCal のどちらに入れるのか迷うことになりました。iGTD と iCal には連携機能があるのですが、この連携によって iGTD の動作が遅くなったり不安定になったりすることがあるようでした。
TaskPaper にはスケジュール関係の機能が存在しないので、この問題は消滅します。私の場合、スケジュールのはっきりきまった仕事は iCal だけで管理することにし、iCal からアラームがあがったときに2分以内に片付けられない仕事は、そのときに TaskPaper に落として作業を進めることにしています。
「タスク」と「スケジュール」を完全に直交させることは、Getting Things Done の中にも書かれていたように思いますが、TaskPaper は、このことを実現しやすいコンセプトのソフトウェアになっています。

プレインテキストを扱っていることの安心感

TaskPaper が管理するデータは、とても単純なプレインテキストです。cat で見ることができます。Wiki 記法のような直感的なフォーマットになっています。
プレインテキストである安心感、というのは「UNIX 哲学」みたいな形でいろいろな場所で語られていると思います(e.g. http://www.linfo.org/unix_philosophy.html)が、TaskPaper についてもこの安心感があります。

お金かエントリを、という価格づけ

TaskPaper は、ソフトウェアはとりあえず無償でインストールできるが利用期間が15日に制限されており、ライセンス購入によってこの制限が外れるようになっています。
現在、このライセンスの価格は、$18.95 かブログのレビュー記事1本、となっています。私は、レビュー記事1本で購入してみようと思いました。
この価格づけも、とても面白いものだと思います。RadioheadIn Rainbows の価格づけも面白いと思いましたが、TaskPaper の価格づけは、より有機的な価格づけだなあと思いました。TaskPaper 作者、記事作者、ブログスフィア、TaskPaper 自体のすべてに対してプラスに働く価格づけではないかと思います。

いくつかの問題点

タグで絞ったビューでタグを書き換えようとすると、ソフトウェアの反応が遅くなる場合があるようです。タグで絞ったビューのときにタグを削除する場合には、タグ全体をマウスで選択してから削除すると、この問題が回避できます。
また、特に何もしていない状態で、CPU time をかなり消費してしまう状態に陥ることがあります。アプリケーションを再起動することで、この問題は回避できます。

TaskPaper を手に入れるには

http://hogbaysoftware.com/products/taskpaper から入手することができます。