ゲバラ曰く、負ける戦いはしないこと。攻撃して撤退を繰り返せ。

d:id:wata909:20090223 を拝読して考えました。
Google はあくまで人気投票なのだから、これが致命的な由々しき事態ではないと考えます。Open Source GIS はまだまだ局地的な勝利を重ねていくべき段階であり、むしろユーザベースをコンパクトにしたままで、相手陣営が入り得ない部分で卓越した力を身につけるほうがよいように感じています。

パッケージを良くし、新規ユーザを開拓し、相手陣営に対抗する製品の品質を高くして相手陣営に正面から勝つというやりかたももちろんありますが、Open Source GIS の強みは高いカスタマイズ性と、カスタマイズした製品の特定分野での卓越した性能、カスタマイズした製品がさらに本体製品の力になるところだと思います。Open Source GIS がこれから浸透していくには、会戦を指向するのではなく、「ゲリラ戦争」的な方式でいくのがよいのではないかと思います。(もちろん、どちらの路線を走る人も、同じ方向に走っているのだから、互いに否定する必要はないでしょう。ひょっとして会戦派がバブルを作ってしまってゲリラ派が迷惑を被るということももあるかもしれませんが。)

新訳 ゲリラ戦争―キューバ革命軍の戦略・戦術 (中公文庫)

新訳 ゲリラ戦争―キューバ革命軍の戦略・戦術 (中公文庫)

私、かつて VLSI CAD の世界に少しだけいたことがあり、その世界でも Open Source をやっている人がいるようでした。例えば、gEDA というプロジェクトが継続的に続けられているようです。gEDA のような活動をしている人たちは、もっと絶望的な状況にいるように感じます。GIS は VLSI CAD とちがって「みんな」を潜在ユーザとすることができますし、アウトプットも Fab がなければ出せないものではなく、画面や図面にでればそれで価値を生み出せるわけです。

Open Source GIS は、それだけ有利な地形に恵まれているわけですから、まだまだ奇襲を活用し、敵に動きを悟られず、攻撃して撤退を繰り返す戦略でいけるように思います。それでも参加を志願してきた人だけを組み入れていくだけで、まだ十分に戦える気がします。