iPod touch Safari に対する Apple の力の入れ具合について

Watch Apple CEO Steve Jobs unveil the new iPod touch,

http://events.apple.com.edgesuite.net/s83522y/event/index.html?internal=g4h5jl83a

iPod touch
A guided tour

http://www.apple.com/ipodtouch/guidedtour/

Wi-Fiに接続しようとすると、家庭やオフィス以外の場所では認証するためのパスワードや名前などの入力が必要になる。そこでSafariブラウザが必要になる。もちろんブラウザを使用することで、検索などの利用も可能になります。しかし、アップルが目指したのは携帯情報端末を作ることではなく、あくまでも音楽や映像を楽しむためのメディアなのです。

http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20070906/apple8.htm

iPod touchのプロモーションに際して、情報端末としての使い方を訴求する可能性はありますか? 例えば、iPod touchのブラウザ機能を使うことで地図を表示しながら持ち歩くといった使い方、(中略)
スタン:いまの段階では、そうした具体的なアイデアはありません。ただ、どんな使い方をするかはユーザー次第です。

http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20070906/apple8.htm

ジョブズさんもあいかわらず、またスタンさんもさすがに、プレゼンがすばらしいなあと思います。それはさておき、iPod における Safari の位置づけは、このあたりから分かります。ここから言えることを考えてみました:

  • iPodSafari はそれほど重い用途を想定したものではない。iPodSafari はそれほど本格的なブラウザである必要はないかもしれない。
  • 一方で、iPhoneSafari には、JavaScript を多用するような、かなり重い用途が想定される。なぜなら、「iPhone のアプリを作りたければ Web アプリにしろ」と言っているからである。よって、iPhoneSafari はかなり本格的なブラウザでなければならない。
  • iPodiPhoneSafari が違うものである必要性はないだろう。よって、iPodSafari も、Mac OS XSafari と連動して機能を充実させていくような、本格的なブラウザなのではないか。

また、以下のようなことも考えました。

  • これまで AppleiPodPodcast や Video を加えたときや、WindowsSafari を加えたとき、iWork '08 に Numbers を加えたときなど、これらの更新を大々的に宣伝するような言い方はせず、「まあやってみよう」といった感じの、とてもあっさりとした言い方をしている。これは新機能に過剰な期待を持たせて製品全体の設計思想をぼやかさせない*1ためのマーケティング上の技術なのではないか。つまり、たとえば以下のような誤解を生まないための技術なのではないか:
    • iPodPodcast を聴くための機械になる(注:誤解)
    • iPod はビデオ端末に方向転換した(注:誤解)
    • AppleSafari でブラウザ競争に参加した(注:誤解)
    • Mac表計算などの「仕事」に使えるパソコンになりたい(注:誤解)

結論として、やっぱり実際のモノで実際のサービスを開発してみなければいけないなあと感じました。
一方で、

Google Gears for WebKit is made up of an Internet plugin for Webkit or Safari

http://googlemac.blogspot.com/2007/05/google-gears-for-webkit.html

などといったように、他のブラウザでできることは着々と Safari でできるようなってきているようにも見えます。
この件についても、まだまだいろいろと調べていってみようと思います。
iPod touch の出荷予定、Mac OS X Leopard の出荷日付との関係が結構微妙だと感じました。LeopardMac OS XSafari 3 になるのであれば、Leopard 後のソフトウェアアップデートで iPod touch に対して何が行われるかがキーポイントになると思っています。LeopardiPod touch を買う順番を迷っています。

*1:DoCoMo 2.0Sony Rollyマーケティングに怒りを覚えるタイプなので、新機能に対してはつつましいというこの宣伝方法は好きです。