AのBとそのC

日本語に関する素朴な疑問

地理空間情報活用推進基本法第二条第三項の基盤地図情報に係る項目及び基盤地図情報が満たすべき基準に関する省令では、

行政区画(都道府県及び市区町村)の境界線とその代表点

という表現があります。この表現は、

  • 行政区画の境界線
  • 行政区画の代表点

という理解の他、

  • 行政区画の境界線
  • 行政区画の境界線の代表点

という誤解ができるような気がします。
なお、GSI HOME PAGE - 国土地理院では、このような誤解の余地のある表現ではなくて、

行政区画の境界線及び代表点

http://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2007/0828b/0828b-1.htm

という標準的な書き方になっています。

「AのBとそのC」という表現の用法について

この、

AのBとそのC

という表現、世の中では「AのB + AのC」と使われているのでしょうか、それとも「AのB + AのBのC」と使われているのでしょうか。Google のこのページで調べてみました。

「AのB + AのC」と解釈される用例
  • 文字化けの法則とその防止策
  • AVIの生い立ちとそのコーデック
  • rootkitの概要と、その防御方法
  • 原始星の形成とその進化
「AのB + AのBのC」と解釈される用例
  • 雲仙普賢岳の噴火とその背景
  • 構造計算書の偽造とその対応
  • セロ弾きのゴーシュと仲間たち (「の」の意味が違うか)
  • タッチパネルの憂鬱と、その先にある可能性
  • 加速するネットの進化と,その果てにある“もう一つの地球”
  • セッション追跡の欠陥とその自動検出法
  • Webアプリケーションハイジャックの危険性とその対策
  • 接続制限を回避するための方法とその実装
  • 大畑の離脱とその影響
  • 世界の森林とその保全 (「の」の意味が違うか)
  • 霊長類の進化とその系統樹 (どちらと解釈されるか微妙)
  • 竜馬の妻とその夫
  • 人間の情報処理の理解とその応用

考察

Google にって収集した用例から判断すると、「行政区画の境界線とその代表点」という表現は、「行政区画の境界線」と「行政区画の境界線の代表点」であると誤解される可能性があります。