Produktübersicht Basis-DLM を読む 9: メクレンブルク=フォアポンメルン州

このページを読む第9回は、9行目の MV ことメクレンブルク=フォアポンメルン州(Wikipedia)です。
久々に東ドイツに戻ってきました。G8 のあったロストックがあった州です。ドイツ人にとっては海の観光地なのですが、外国人にとっては観光地ではないという土地です。人口密度がドイツで一番低く、73.7 人/km²であるとのこと。面積は第6位の23,173.46 km²です。
州議会は SPD と CDU が20強で伯仲している状況で、それを左派党が13で追い、自由民主党ドイツ国家民主党がそれに続いています。ドイツ国家民主党はネオナチ政党と見なされていますが、6名の州議員を出しています。ドイツ国家民主党議席を持っているのは、ザクセン州メクレンブルク=フォアポンメルン州であるそうです(ドイツ国家民主党 - Wikipedia)。

メタデータ最終更新日付

このエントリを作成した時点での最終更新日付は、2007-10-11 になっていました。また更新されています。

捕捉状況

第一段階、第二段階が 100% で、第三段階で 78% となっています。

典拠

TK10 という 1:10,000 地形図を唯一の典拠として使っています。TK10 から初期データを作って、そのあとは直接 ATKIS でデータを管理しているのかもしれません。
TK10 というのが東ドイツ特有の製品であるということに気がつきました。

精度

精度は少し悪くて、5-10m であるとのことです。メクレンブルク=フォアポンメルン州は人口密集地域よりも自然地域を多く持ち、精度向上の必要がそれほど高くないということかもしれません。精度が 10m 台という記述があるのは、メクレンブルク=フォアポンメルン州だけです。他の州では、7m が上限となっています。
一方、日本では

1:25,000地形図では標定における要求水平精度が基本図化で7.5m以内、修正図化で12.5m以内、要求鉛直精度が基本図化、修正図化ともに2.5m以内と規定されている

下野 et.al.,QuickBirdステレオペア画像の位置精度評価

1/25000地形図の位置精度は、図式上やむを得ない場合に図上0.5mm以内(最大1.2mm)の転位が許されており、真位置との誤差は12.5m以上が許容されている

数値地図25000(地図画像)品質評価表

と、精度は 12.5m です。日本での基盤地図の名目縮尺が 1:25,000 であるのに対し、ドイツでの基盤地図の名目縮尺は州の定義に任されてはいるものの、実質 1:10,000 が多いことがこの精度の違いを表現しています。

時局性

5-7-5 年の時局性になっていて、第一段階では 1990-1995 年、第二段階では 1995 - 2002 年、第三段階は 2002 年から今までとなっています。第一段階ではがんばったが、あとで息切れを起こしているということかもしれません。

最高度時局性の地物を除く地物の更新周期

一方で、更新周期は5年となっています。5年を上限に各地物を更新するが、修正時期がずれるので、全体の時局性としては第2段階のような7年になるということでしょうか、それとも、第二段階の7年間という時局性は今後は発生させないつもりで、「更新周期5年、時局性5年間」を実現するつもりということなのでしょうか。
このあたり、「時局性」と「更新周期」の詳細な定義を、あとで調べてみる必要があるでしょう。

データフォーマット

EDBS, DXF という定番メニューの他、ARCINFO, ARCVIEW のデータも渡すと行っています。ESRI Coverage Export と ESRI Shapefile でデータを渡すというくらいの意図なのかなと思います。
この州では、ATKIS データの更新システムに ESRI 製品を採用しているのかもしれません。ドイツでは、州ごとに異なったシステムを採用でき、ATKIS はその上位にあるインタフェース仕様という位置づけになっています。

価格

ちょっときりが悪い価格づけになていて、平方キロメートルあたり 1.53 ユーロから 15.34 ユーロ で販売するということです。価格の違いはデータの分量に応じて、とのことです。データの分量に応じて価格が10倍の範囲で変動する、ということになります。