サービスではなく、データとプロセッシングをテーマに

本ブログは1年以上の寿命を持つ地理情報処理技術についての、エンジニアリングのブログでありたい、と思いました。
そのためには「オープンソースソフトウェアを使って、データポリシーが明確な地理情報を題材に具体的なタスクを処理するレシピを公表する」というストーリーを本ブログの主題とすべきだと思っています。

サービスの世界こそ将来の世界である。だからこそ難しい

最近このブログでは、サービスの話が主題となっていました。しかし、個人の作業の範囲で、さまざまなステークホルダーが関係してくるサービスの世界を扱うのは、手にあまりがちであり、個人行動の利点である機動性を失うことになります。また、錯誤の影響が個人に閉じないため、知見を積み上げていくブログ化作業を「気軽に」行うことができなくなります。

地理空間情報の流通量の膨大さから考えて、地理空間情報に関する情報技術の主戦場は必ず Web サービスとなります。しかし一方で、サービスの世界はまだまだ若く、だれでも簡単に共通理解にたどり着けるサービスポリシーの表現方法が確立していないことから、個人が楽しみながら気軽に、実験的かつ公開的に知見を蓄積していくことは、まだまだ難しいでしょう。サービスは、データと比べて短い寿命となる傾向もあり、蓄積した知見の期待寿命も低くなります。

データとプロセッシングは、歴史が長いだけに安定している

一方で、まずローカルリソースとしてデータがあり、ローカルでプロセッシングを行うという様式は、大変長い歴史があります。そのため、例えばデータポリシーは、サービスポリシーと比較して表現方法の定式化が進んでいます。プロセッシングについても、少なくともベクトルデータについてはほとんど全ての処理が、いつでもどこでもだれにでも使えるオープンソースソフトウェアで実施可能となっています。

また、データとプロセッシングはサービス構築の基礎でもあります。サービスへの意図なしにデータとプロセッシングのスキルだけ上げても意味はありませんが、データとプロセッシングに関するスキルがなければサービスは構築できないでしょう。

データとプロセッシングへの復帰

そこで、本ブログは、「オープンソースソフトウェアを使って、データポリシーが明確な地理情報を題材に具体的なタスクを処理するレシピを公表する」というストーリーを主題とすべきであろうと改めて認識しました。本ブログの2007年、2008年あたりの主題に復帰し、データの理解とプロセッシングのスキルに的を絞ったブログにしていきたいと思います。